● 網膜剥離とはどのような病気ですか?

網膜が眼球の壁から剥れた状態です。

● どのような症状が出るのでしょうか?

前ぶれとして、視界の中に黒いものが現れる(飛蚊症)、光が走る(光視症)、などの症状が出ることがあります。 網膜が剥れると端のほうから視野が欠けてきます。剥離が網膜の中心部に及ぶとかすむ、ぼやける、ゆがむ、などの障害が出ます。

● どのような人がなりやすいのですか?

発症のピークは2つあります。50歳代(中高年)と20歳代(若年者)です。

中高年:眼球内には硝子体というゼリー状の組織があります。40歳代から硝子体はどろどろに液化し、網膜表面から剥れてきます。網膜にほころび(変性巣)があると、その部分では硝子体が剥れにくいので、引っ張りによってかぎ裂き(裂孔)ができて、次第に網膜が剥れます。進行は速く、数日で網膜が広い範囲に剥れることもあります。

若年者:近視の強い人は若い人でも網膜に変性巣があり、その内部に穴(円孔)ができます。その穴から網膜の下に水がまわると網膜が剥離します。進行は遅く、自覚症状なしに発見されることもあります。アトピーの人も網膜が弱いことが多く、網膜剥離になりやすい傾向があります。

● 診断はどのようにするのですか?

視力、眼圧測定をしてから散瞳検査を行います。

● 治療はどのようにするのですか?

変性巣のみであれば、特別な治療はしません。網膜に裂孔・円孔があればレーザーで穴の回りを凝固します。網膜が剥れていれば、原則として手術治療を行います。薬で網膜剥離を治すことはできません。

● いつ治療を受けるのがよいのですか?

飛蚊症が急に現れた時は、網膜に穴が開いた可能性がありますので、早めに眼科を受診して散瞳検査を受けてください。網膜が剥れる前であれば、レーザー治療で進行を食い止められます。網膜が剥れた場合は、早急に手術を受ける必要があります。

● 手術をすればよく見えるようになるのですか?

術後の視力は網膜剥離の程度と発症からの時間によります。剥離が中心部に及んだ場合には、剥離前と同じにはなりません。

● 手術の方法にはどのようなものがありますか?

大きく分けて、目の外からの手術(強膜内陥術)と中からの手術(硝子体手術)があります。

①強膜内陥術
若年者タイプが適応になります。また、中高年タイプのうち裂孔が1、2個で網膜の周辺部にあるものも適応になりえます。強膜(眼球の壁)にシリコンバンドを縫いつけて眼球を凹ませることで剥れた網膜を戻します。

②硝子体手術
中高年タイプが適応になります。眼内の硝子体を切除して網膜に対する牽引(引っ張り)を無くすことで網膜を戻します。

特殊な網膜剥離は個々に術式を検討します。2つの方法を組み合わせること、特殊なガスやシリコン・オイルなどの物質を眼内に充填することもあります。